japanese_history


次のテーマはこちらでーす。「児嶋あるあるー!!」
見てます。


渡部昇一さんの「日本史」を読了しました。


学生の頃の私は歴史が好きになれなかった。
細かい部分を1年もかけて現代に向けて学んでいく、というスタイルは、
歴史への興味を失わせるだけでした。
そうなると、数々の歴史上の出来事を覚えるだけ、の教科でしかなく、
もともと非効率な作業が苦手な私はすんなりと歴史嫌いになっていったのでした。


とはいえ、日本を生きるものとしては、
最低限日本がどのようにして歴史の糸を紡いで来たかくらいは
それなりに認識している必要がある、とは日頃から思っていたんですね。
それは、いくつもある残課題の1つだったわけです。


そんなこんなでブラっと立ち寄った本屋で、気になって手に取ってみた1冊。
歴史物の本は今までにも何度か手に取ってはいるものの、
最初の数ページ、いや数行を読んだだけで「うわー、無理」という感じでした。


…なんていやらしい書き方をするんでしょう私。笑
そうなんです、この本はね、良かった。


まず第一に、短い。そんなり読めそうな厚さ。読書が続かない私にもピッタリ。
まあビジネス書等ではよくある厚さで極端に薄いわけではないけども、
文字が大きめなのであっさり読めます。
読むのが遅めな私でもトータルで5時間もかかってないはず。


第二に、前もって「あ、こういう書き方をしてるんだな」と教えてくれること。
表紙を開くとまず、こう書かれているのだ。

通史には史観が要る。日本の歴史という
美しい「虹」を見るには、特定の視線が必要で
ある。私の日本史観の特徴は次の二点だ。


戦前までの説明は、
この"史観"を貫いて書かれており、読みやすい。
まあ"史観"そのものに興味を持てるかどうかがまず問題になるのだが、
それら説明もなく急に始まると、不快なままに読み進めなければならず、
著者が本当に言いたいことを理解する前に飽きるか、イヤになるわけで、
今後、別の史観に基づいた日本の歴史を追う機会があれば、
まずそれを知るところから始めたい。


第三に、日本の神話から解説が始まるところだ。
私は三重県民なので、
他の出身地と地元トークをするとまず「伊勢神宮」が出てくる。
伊勢神宮がどんなところかは地元で暮らしていれば、
歴史が好きでなくとも、
日本武尊などの日本神話関連の話がそれなりに入ってくる。
そのかすかな記憶を含む神話のお話が、
本を読み進める中で、
しっかりと記憶に残る聖徳太子等の時代に繋がっていく。
うまく説明だけど、これはぞくぞく来ます。


先ほどの引用の続きにはこう書かれている。

第一は、王朝の断絶がない日本では、
神話の継承は歴史研究から切り離せない。
第二は、日本の国体(体質)は、
断絶したことはないが、大きな変化は五回あり、
今は六回目の変化を待っている時代である。
本書は、この二つの視点から目をそらすことなく
解釈しようとしたものである。


「神話の継承」を踏まえ、日本の歴史を改めて考えてみる。
時間の流れの中で、日本人は日本人らしさを固めてきたのである。
それをこの1冊の本は、
早口に解説していくわけだから、それなりに粗がある。
特に戦後は、突っ込まれても仕方ないんじゃないかというくらい強引に話が進む。
※当然理由等はちゃんと説明してくれるが、
 戦後直後の話題はただそれだけで拒否反応示す人が多いので…。


そんなことはまあ気にせずに、筆者の言いたいことを体にさらさらと通してみると、
日本神話の重要性が見えてくるんですね。で、改めて最初の部分を読み返してみると…
ヤバイですね。


まだまだ日本の歴史を知った気になれるほど知識も教養も身についていないですが、
その第1歩として、この本は非常に有用でした。
さっと読めちゃうので、入門としては最適ではないでしょうか。


人間、そんな変わらないですね。普遍的で面白い。
現代日本の問題だけでなく、日常の問題点を考えるうえでもヒントになります。


もう少し、日本に誇りを持ってもいいよねと思える一冊です。



決定版・日本史