『モンスターハンター』シリーズも今後コンテンツ化へ? 東京コンテンツマーケット2008で稲船敬二氏が、ゲームのコンテンツ化について語った


モンスターハンター3
海外でいまいち売れなかった場合に備えて、
モンスターハンターのコンテンツ化を急いでいるそうです。


また、稲船氏は、海外へのゲーム輸出についても、独自の見解を述べられています。


以下にかんたんにまとめると、

  • ゲームの輸出額より輸入額の方がダントツ多いことについて
    • 理由1:日本がゲーム大国であるから
    • 理由2:日本人が海外の作品を受け入れられないから
    • 海外ユーザーの多くは自国のタイトルと日本産タイトルのどちらもプレイしていて、海外はゲームユーザーの幅が広い
    • 日本は国産タイトルの消費が中心なため、海外と比べてユーザーの幅が狭い
    • 海外の作品の良さを日本のゲームユーザーに伝えていかなければ、「今後業界全体がしんどくなってくる」
  • ゲーム業界でも国内指向が根強いことについて
    • 「日本と海外、どちらかでしか売れない作品」を作った場合、市場規模を考慮すると、海外で売れる作品を作ったほうが幸せだと思うが、ふつうのクリエイターなら日本で売れたほうが得だと考える。なぜなら、身近な人たちから褒めてくれるから
    • 映画監督の北野武氏が海外で賞を受賞したときは、メディアは大々的に取り上げてくれるが、ゲームが海外で成功しても、それほど大きく取り上げてもらえない。メディア側の改善が必要不可欠
    • クリエイターは国内での評価を求めて、日本市場にのみ注力する傾向が強まっているのかもしれない
  • クリエイターに必要なこと
    • クリエイターにいま必要なのは、「失敗してもいいんだ」と思える勇気
    • フロンティア精神で新しいことに挑戦するのは重要なことだが、ほとんどのクリエイターは、1つの作品がヒットするとそれに固執してしまい、新しいことに挑戦して失敗することを恐れてしまいがち
    • クリエイティブは、1歩目のひらめきが8割を占めている。批判されることを恐れていたらさきにはいけない


 興味深い話です。


 クリエイターと言うと聞こえは良いですが、実際はただのサラリーマン。だから「失敗してもいいんだ」と上司が思わせてくれないといけない


 当のカプコンだって、モンハン、バイオ、ロックマン…と最近は新しいことに挑戦していない。
 新規プロジェクトについては、じっくり寝かせているのでしょうが、それくらい、新しいことをやってのけるのは難しいのでしょう。発想力や企画力云々もそうですし、技術的な問題や金銭的な問題、人材不足の問題などなど、課題は山積しています。


 今こそ、有能な経営者が手腕を発揮するとき。クリエイターだけが踏ん張っていても仕方ない。任天堂もそう。岩田社長など集団指導体制の中で、あれだけ飛躍したのだと思う。カプコンは稲船氏が役員なので、今後の展望も明るいかと思います。


 で。
 そんな話は今までにだって何度も出てきていますが、稲船氏は「評価されること」も重要であると説いています。この業界だと、海外での成果が褒めてもらえるのはゲーム機の売れ行きくらいですもんね。それでも、業界外で話題になることはあまりありません。


 ただまあ、他の業界でもそうですけど、「偉業を成し遂げた!」というつもりで話をされても、予備知識なしではいまいちそのすごさがわからないこともあります。
 ましてやゲームは「DSやWiiがすごく売れている!」ということを世間一般の方々もすでに知っているので、そんなところに「カプコンが作った"デッドライジング"がミリオン突破したよー」なんて話をしても、それが大々的に取り上げられてもらえるかというと微妙なところです。「それってDSよりすごいことなの?」と聞かれるとぐうの音も出ません(笑)。どんなゲーム?と聞かれてもこれまた…。
  「海外ではそれがウケるんだって!」なんて話をしたところで、ね(;´Д`)


 マスコミの使い方がうまいのは、やっぱり任天堂。ここでも登場してきました(笑)。
 何かしらのやり方があるのかもしれないな。