ゲームプログラミング界の巨人、Tim Sweeneyが「未来のゲーム開発テクノロジー」を語る 〜超並列処理、次世代のゲームグラフィックスはソフトウェアレンダリングに回帰する〜

Sweeney氏が語ったのが、将来のゲーム開発における原則論だ。曰く、「生産性は必須」。前述したように、プラットフォームの処理能力は数年で2倍、10年で1,000倍になることができる。しかし、ゲーム開発の予算を10倍、1,000倍にすることはできない。だから、生産性のために性能を犠牲にするしかないし、それで良いのだ。


それにプラスして、Sweeney氏は現在のゲームプラットフォームハードウェアが複雑すぎることも指摘した。もし、Sweeney氏のいう純粋関数型言語によるゲーム開発が実現したとして、それを基準とするならば、C++によるプログラム開発コストは、マルチスレッド版で2倍、プレイステーション 3版において5倍、シェーダー言語で記述するGPGPU版において10倍かそれ以上にもなるという。2倍以上のコストはゲーム会社のビジネスにとって合理的とは言えない。


従って、6コア、8コアどころでは済まないメニーコア世代のプラットフォームに備えて、ゲーム会社は開発基盤を備える必要がある。このような議論を踏まえた上で、Sweeney氏は最後にこう述べた。「『Unreal Engine 3.0』の開発には3年の期間を要しました。そして、次世代のエンジンを開発するには5年くらいはかかるでしょう。つまり、今年開発をはじめたなら、出荷可能になるのは2013年です。だから、今はじめるべきなのです。我々は既に、次世代への投資をはじめています」。


EPIC GAMESのCEOが
「今から次世代の準備を始めろ」
「じゃないと間に合わないぞ」
「今まで通りやってたらコストが何倍にもなるぞ」
「だから生産性を上げるんだ!」
と警鐘を鳴らしています。


技術的なことはわかりませんが、
PS3Xbox360にすらまだ手を付けていないところは、
任天堂ハードに合わせて進化しているわけですから、
国内外の大手ゲーム会社と
周回遅れになることは覚悟しなければなりません。


日本のゲーム会社は
「海外でもヒットさせるにはどうしたらいいか」で
頭を悩ませていることでしょうが、
「日本ですらほとんど売れない…」ような状態であっても
前に進まないと、将来がないということか…。


苦しい時代に来ていると思います。