後藤弘茂のWeekly海外ニュース Webの成功図式をゲームに持ち込むXbox 360の戦略


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MicrosoftXNA Game Studioとゲーム開発オープン化戦略は、日本だとあまりピンと来ないかもしれない。しかし、欧米では、それなりの鍵となる戦略だ。


まず、欧米は、日本と較べてホリデープログラマの人口が圧倒的に多い。そうしたプログラマコミュニティにとって、XNA Game Studioは魅力的に映る。そして“マイファーストゲームデベロップメント”がXNA Game Studio上だったアマチュアプログラマにとって、馴染みのあるゲーミングプラットフォームはMicrosoftのものになる。Microsoftは、自社ゲームプラットフォームの、将来のプログラマ層を育てていることになる。

日本から見ると、参加者のほとんどがゲーム開発のプロであるGDCで、アマチュアとの垣根を低くする戦略を発表するのはどうかと思うかもしれない。しかし、米国ではそれも当てはまらない。プロとアマチュアの垣根があいまいで、プロも独立心が強いからだ。


自作ゲームをXbox Live上で配布できる環境を整えることで、
マイクロソフトは革命を起こそうとしている。
その理由を、J・アラード氏は次のように述べている。

「今のゲーム業界の問題は、作るのにカネがかかることだ。今、Webではあるレベルのツールがあれば、簡単にWeb雑誌を創刊できる。Webによって、出版は劇的に簡単になった。でも、ゲームを作り始めるのはまだ簡単ではない。私がXNAを考え始めてから、10年越しの夢として考えているのはまさにそのことだ。XNAでWebのように簡単にゲームを作れるようにする。コンピュータを知らなくても、誰でも簡単にゲームが作れるようにすればベストアイデアが勝つようになる。それがこの業界のイノベーションをドライブするだろう」


ウェブが登場してすぐに
誰でもブログを持てるようになったわけでも
ミクシィやマイペースで
いつでも気軽に交流できるようになったわけでもないように、
ゲーム業界でのこの取り組みも
すぐさま成功するとは言えないでしょうが、
この流れがゲーム業界の未来にどのような影響を与えるのか、
実に興味深いですね。


ただ、日本人はやはりこういった流れに疎いです。
パソコンだって最初は日本の技術が支持されていたのに、
今やマイクロソフトインテルなど海外の企業の土壇場です。
日本市場で細々と
ハードを売っているに過ぎない、なんて会社もあれば、
部品の製造でのみ評価されている会社もありますが、
まあどちらにしろ華々しい道を歩んでいるわけではありません。


日本人にはグーグルもユーチューブも創造できなかったでしょう。
ニコニコ動画という半ば閉鎖的な空間を作り上げることはできても。
それはもう国民性の差ですからしょうがありません。
すごく感覚の研ぎ澄まされた方が
海外から将来性のあるサービスを持ち帰って、
日本ならではの味付けをすれば良いのです。


まあそんなありきたりな話はここまでにしておいて、
なんでそうなってしまったのでしょうね?
リスクを取ってでも、失敗してもいいから、
革新的な何か、面白いことを掴み取ろうという
気概が日本人にはもともとないのかも。
欧米では市民が立ち上がって獲得した「権利」だって
日本人にとっては「与えられたもの」に過ぎませんしね。


このマイクロソフトの取り組みが成功するか失敗するか、
またどの時期まで来れば
成功したと言えるところまで到達するのか、
想像もつきませんが、
こういうエキサイティングな取り組みは
外野席だって、ワクワクして楽しんだ方が良いのです(‐∀‐*)


でもやっぱ、
日本語のゲームもいっぱい出てきてほしいというのが
ユーザーとしての心情ですかね(;´Д`)