「君に届け」の劣化が激しい件


君に届け


つい先日、最新刊の第7巻が発売されました。
早速買いました。


なんだろうこれ…。


【ネタばれ注意】


君に届け自分としては、「君に届け」の一番の魅力は
黒沼爽子そのものにあると思います。
異常なまでの優しさ、気遣い。空気読みすぎな行動。
そのためには自己犠牲も厭わない。
それでいて、前向きに日々を生きている。


爽子の視点から見れば、
"ありがち"な展開であろうとも
面白く新しく美しく見えたりするから不思議です。


そんな彼女が高校1年生の春、
風早翔太という1人の男子と出会うことで、
これまで縁のなかった「恋愛」という人生経験を積んでいく。


第1巻で出会いが描かれ、第2巻では友情が描かれ、
第3巻〜第5巻にわたるくるみちゃん編では
爽子の気持ちが顕在化したということで
重要なシーンが続いていたと思います(今思うとね


でもこの第5巻の終盤から変な空気が漂い始めた。
物語を膨らませるためとしか思えない千鶴&徹編。
まあせっかく人気が出てきているんですから、
続けようとする努力はわからなくもないです。


君に届け
そして第6巻の後半にはクリスマス会。
第7巻では大みそかデート&誕生日イベント。
新学期になり、バレンタインデーイベント。
いよいよ第8巻では、風早のライバルが登場しそう?


なんだこのベタ展開\(^o^)/
まあ、恋愛ものなんてくっついたらおしまいですからねー、
ありとあらゆるベタなイベントで
読者を胸キュンさせ続ける方針なのかしら?


ここで問題なのは、かなりのベタ展開ということ以上に、
これまでにあった爽子らしさがだんだんと薄れてきている点。
恋愛を通して、
爽子が「普通の女の子」へと変化していけばいくほど、
これはどんどん顕著になっていくんじゃないかな。
主要キャラ以外のキャラクタもどんどん立ってきていて
(これは物語としてはいいことなのですが)、
爽子が若干ぼやけてくるんですよねー。


爽子が成長していく過程を見るのが、
嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちです。


というわけで、
君に届け」そのものが陳腐化していっている気がしてならない…。
ベタなイベントに頼っているようでは、すぐにネタが尽きるでしょう。
もしそのとき、爽子らしさがかけらもなかったとしたら…。


終わらせようと思えば、
風早が動けば
いくらでもハッピーエンドにできますからね、現状では。
ベタイベントの嵐は、延命措置と考える方が自然です。
席替えしたら疎遠になった、ってそんなのあり?w


延命措置については集英社側の意向が大きいのかもしれませんが、
いずれ飽きられるのがわかっているとすれば、
映画化、アニメ化、ドラマ化が
何かのタイミングでどどっと押し寄せてきそうな予感。


っていうかね、激しく「ラブ★コン」臭がするんですよねw


君に届け 1 (1) (マーガレットコミックス)
君に届け 1 (1) (マーガレットコミックス)
君に届け 2 (2) (マーガレットコミックス)
君に届け 3 (3) (マーガレットコミックス)
君に届け 4 (4) (マーガレットコミックス)
君に届け 5 (5) (マーガレットコミックス)
君に届け 5 (5) (マーガレットコミックス)
君に届け 6 (6) (マーガレットコミックス)
君に届け 7 (7) (マーガレットコミックス)


君に届けはノベライズ版も既に3巻まで発売中。


君に届け (コバルト文庫 し 2-18)
君に届け(1・2巻に準拠)
君に届け 〜恋に気づくとき(3・4巻に準拠)
君に届け 〜それぞれの片想い(5・6巻に準拠)