任天堂、3ヶ月毎にシャープと日立に合見積をとり価格を下げさせ続けていた…DSの価格はその間据置き


任天堂の「ニンテンドーDS Lite」向けに
液晶ディスプレイを納入していた、
シャープと日立ディスプレイが価格カルテルを行っていた件について、
私は「任天堂は被害者だ」とコメントしてきましたが、
どうやらネット上では違う主張をする人たちが居るようで、
彼らの言い分は、
「液晶ディスプレイにかかるコストが
どんどん下がってきているにもかかわらず、
消費者にそれを還元しないのはおかしい」というものです。


別に任天堂を擁護しようというつもりでもありませんが、
その意見について少し異を唱えてみることにします。


四半期ごとに取引価格を見直すのは、
どこの企業でもやっている、当然のこと、
というかむしろ常識です。
そもそも液晶ディスプレイというのは
価格もずっと下落傾向にあったのですから、
DS用だけ価格を維持するというのもおかしな話ですし、
価格をずっと維持していては、
企業努力によるコストダウンも図れません。
値下げ要求に対し、実際に2社は応じているわけで、
なおかつ赤字も出してはいません。


そしてDSの定価が1万6800円のままということと、
この件とはまったく別の次元の話です。
液晶ディスプレイのコストが落ちたら
本体の定価も下げるべきだと本気で言うのなら、
逆にコストが増加したら、
定価も上げるべきだとでも主張するのでしょうか?


また、まだまだDSは需要が見込まれる商品です。
値下げする必要がないものを
わざわざ値下げする必要はありませんし、
もしこのまま値下げすることにでもなれば、
PSPを窮地に立たせるつもりか?」とか
「まだ品薄商戦に持ち込む気か?」などと
またまたアンチに叩かれるのがオチでしょう。


本体価格というのは、
いろんな条件を加味した上で決定するものですから、
極端なことを言えば
部品の1つが安くなろうが高くなろうが
まったく関係のないことです。


さらに、任天堂はエンターテイメントの会社です。
世界中の人々に
「遊び」を提供すること、し続けることが彼らの仕事です。
そのために日夜、研究開発は惜しみませんし、
オンラインゲームを無料でかつ安心に遊べるよう、
そのコストを負担していますし、
充実したサポートを心がけています。
そうした取り組みで、
ユーザーに"還元"しているのではないでしょうか?


ま、株式会社だから
株主に顔が立たないってこともあるでしょうけどね。