法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」プレミアムなモデルをラインナップしたソフトバンクの冬モデル[COLUMN]


今回の目玉は、フルワイドの920SHでも、
デジカメさながらの「920SH」でも、
アクオスケータイ最薄&最軽量の「822SH」でもなく、
なんと普及帯の820SH/821SH。
ワンセグを搭載させているものの、
他には基本的な機能が搭載されているのみ。
しかし、デザインやボディ素材に気を配り、薄くすることにも成功。
機種名には今回のテーマでもある「THE PREMIUM」を付し、
発表会では他機種とは別格の扱いを見せていました。


高級感、上質感というこのテーマは、
980円のホワイトプランが人気とはいえ、
「安っぽさ」を感じてもらいたくはないという孫社長らしい、
そしてとてもわかりやすい戦略だと思います。
もともとソフトバンクは、
Jフォンボーダフォン時代から端末の評判は良かったわけで。
シャープと協力して、革新的なフラッグシップモデルを
どんどん意欲的に投入してきたからですけどね。


料金では他社を圧倒する安さを、
端末では他社を圧倒する高級感・上質感を。
もちろん、エリア面やサポート体制など、
まだまだ充実していない面もあるでしょう。


ですが、端末ラインナップで
1つの方向が見えたのは、評価すべきことだと思います。
今回、上位機種のすべてで
国際ローミング機能が搭載されたのもその1つ。
これまではバラバラでしたが、これで
ようやくソフトバンクらしい流れが
完成しはじめたんだと言えるでしょう。


また、「キャラケー」と呼ばれる、
ファンにはたまらない商品企画は、
今後より重視されていくべきではないでしょうか。


「より軽く」から「より高性能」への成長戦略は、
今や高性能化がずいぶん軽微な変化に留まっていることから、
ユーザーにその進化を訴えにくく、
そのためデザイナーズケータイが流行してきました。


キャラケーは大量に売れる商品ではないかもしれません。
ですが、話題性はピカイチです。
それは、ただ単に端末デザインや
プリセットされたコンテンツが特殊なだけでなく、
充電器や付属品などに
ファン垂涎の仕掛けを用意しているからこそです。


実際、シャア専用ケータイ(913SH G)は
テレビでだいぶ取り上げられているようです。
夏モデルの815T(fanfan)は
それほど話題にならなかったのとは対極的ですね。
今回ソフトバンクは815Tの限定モデルを、
ハローキティケータイ」「スヌーピーケータイ」と
改めてアピールすることで話題づくりに努めているようです。
もはやデザインだけでは、話題は作れない時代になりつつある。


他社は料金競争が再燃していますが、
昨年の時点で割賦販売を導入し、
今年早期に他社を圧倒し、わかりやすい料金プランを導入し、
いまや5ヶ月連続で純増数ランキング1位を獲得。
今回、端末面でも
「プレミアム」「キャラケー」を打ち出しました。
ソフトバンクの強みがまた増えることになると良いですね。