「PS3からBlu-rayディスクドライブを外せ」という論調について


PS3の売上が急落していることに関連してか、
ブルーレイのせいで価格が吊り上げられたから、
それを外して39800円で売れという話をする人が多いですが、
今更それは困るでしょう。


PS3のゲームはすべてブルーレイで作らないといけないそうですし、
実際ブルードラゴンがDVD3枚組となっていたように、
やはりHDゲームでは、DVDでは容量不足となることがあるようですから、
あの大容量を前提としてムービーなどを大量に詰め込んでいるメーカーも多いでしょう。
制作者側から歓迎されることはないのではないでしょうか。


大体ここまで来てブルーレイを外して、DVDにしてしまえば、
今まで発売してきたタイトルは遊べないわけで、
ネット配信のものを除けば、またもや0からのスタートとなりますよ。
DVD版PS3では遊べないタイトルも、それ以後もなお発売されてしまうでしょう。
そんな不完全なもの、誰が買うというのでしょうか?
それなら1万円追加して20GB版を買う方がずっとマシです。
費用対効果を考えても、あまりメリットのある戦術とは言えそうにありません。
むしろ、SCE側、ユーザー側双方にデメリットが大きいです。
もちろん、メーカー側にも、
同じタイトルでDVD版とブルーレイ版を作らなくてはいけなくなるでしょうし、
その比率もどう考えればいいかなど負担が増えます。
ショップ側も発注や在庫管理が難しくなります。


今年末にも生産コストが価格を下回る予定だそうですし、
このまま2008年以降の巻き返しを図るしかありません。
しかし、そのあいだに
国内ではWiiが、米英では360がさらにリードしてしまうわけで、
さすがに英国以外の欧州各国や他地域でも
PS3を待ってはくれないでしょう。
360やWiiのタイトルがいやでも充実してくるでしょうしね。


まあ、ロクヨン的ポジションはまぬがれないかもしれません。
それでも、やるしかないところまで
SCEは突っ走ってきてしまったのです。
ここでDVD版PS3を発売してしまえば、
その後に考えられる数々の問題点で、ゲーマーから失笑を買うばかりか、
ソニーの描いた青写真に夢をふくらませたユーザーを裏切ることになります。
余計なことにリソースを割かないで、
自分たちが正しいと思ったことを貫いてほしいですね。
まずはサード頼みの体質から抜け出し、PS4に備えるのが先決です。


ゲームユーザーが望んでいることは、
どこかの会社が圧勝することではないと思います。
たとえば、PS/PS2の時代にはゲーム離れが深刻となりましたが、
DSやWii任天堂の時代には
コアゲーマー対象のものが更にニッチ化してしまい、
ぬるいゲームばかりが溢れる市場に既存ユーザーは辟易するかもしれません。
というか、実際にそうだと俺は思っています。
知育系や脳トレ系ゲームが溢れているこの現状を、手放しに喜べるはずもありません。
ま、サードが任天堂タイトルの二番煎じを狙っているだけの問題ですけどね。
これは任天堂の問題というより、
自立できないサードという現実問題なのかもしれませんが、
それを引っ張るものとして、SCEには力をつけてもらわなくてはならない。
オーバースペックとも思えるPS3で結局SCEは何がしたかったのか、
それが見えない限り、一般大衆に受け入れられることはないのではないか。
ましてやライバルは、コンセプトのハッキリしているWii
売上の急減は、SCEの明らかな準備不足がここに露呈しただけのことである。
ユーザーは時期を待つしかないし、
SCEはその時期を出来る限り早めることが先決だ。
そのとき、FF13以外の優良タイトルを数多くそろえることができれば、
十分巻き返しは可能だろう。
もちろん、PS2並みの圧勝までは狙えないだろうが…。